北欧の映画 ボーダー 二つの世界
北欧の映画、R指定付き。
「スウェーデンの税関に勤めるティーナは、違法な物を持ち込む人間を嗅ぎ分ける能力を持っていたが、生まれつきの醜い容姿に悩まされ、孤独な人生を送っていた。 ある日、彼女は勤務中に怪しい旅行者ヴォーレと出会うが、特に証拠が出ず入国審査をパスする。ヴォーレを見て本能的に何かを感じたティーナは、後日、彼を自宅に招き、離れを宿泊先として提供する。次第にヴォーレに惹かれていくティーナ。しかし、彼にはティーナの出生にも関わる大きな秘密があった――。」
引用
物語はサスペンスとファンタジーを交差していて、見ていてどんでん返しをくらった気分になる。
冒頭の関税での固くて緊張感があるシーンから終焉にかけてファンタジー色に染まっていく感じは不思議に映画に引き寄せられた。
ティーナが容姿のせいでいじめられているシーンはない。生まれ持った不思議な能力を受け入れてもらえて、自身の才能を発揮できる職場。
近隣の住民とも良い関係であるし、同居している彼氏もいる。老後施設に入っている父親にも愛されている。
でも、なぜだか、不満そう。
事務的に仕事をしている様子や憂鬱そうな表情。どうして、そんなに不満なのだろうか。
彼女は何が嫌なのだろうか。
ティーナの家は森の中にある。
北欧の美しい深い自然と、そこに住むCGの毛並みの綺麗な野生の動物達がファンタジーな世界を匂わしている。
森の動物達と心通わせている時が唯一幸せな時間を過ごしている。
物語の途中からティーナはヴァーレからトロルだと告げられる。それを聞いて、周りと違うことに悩んでいたティーナは歓喜する。
彼氏を追い出し、育ての親を罵倒して、ティーナはヴァーレと共に大自然と溶け合う。
今までにない笑顔で。
自分の同じ仲間を見つけたティーナは大自然の中で生き生きしている。今までの笑顔を取り戻すかのようだ。
人が躊躇う昆虫を食べて、裸になって、還っていく。
ティーナはトロルとして生きていくことを決心しているようだ。
しかし、ヴァーレには秘密があった。
人間を憎んでいて復讐をしていたのだ。
ティーナはそのことを知って、やめてほしいと願ったが、ついに許すことができない事を犯されて関税の立場でヴァーレを捕まえることを決意した。
物語の最後はティーナの家にトロルの赤ん坊が届けられた。ティーナはまた、ひとりぼっちにならなくてすんだ。
本当の仲間、育ての親や同僚でなくて、同じ種族。
アナと雪の女王2のエルサも育った国を離れて、本来の生まれ故郷に戻っていった。
北欧にはそういう価値観があるのだろうか?
ちょっと、気になった。