古典技法と原発
引用
https://www.pgi.ac/exhibitions/4740/
写真の初期の技法・ダゲレオタイプ(銀板写真)で作品制作をしているアーティストの新井卓さんの個展にいきました。
新井さんは福島原発に関心があって、今回の展示も中高生のポートレートとその子供達からの話である。
技法であるダゲレオタイプというものは、金属板の表面に直接像を焼き付けるために、複製不可能な一枚限りの写真となる。当時は「記憶をもった鏡」とも呼ばれていたそうだ。
ー「わたしたちは未来を予測することができるか」ー
部屋は暗くて、写真の一つ一つの上に明かりがついていない電球があった。ひとつ明かりがついていて、その灯りに照らされている写真の人物の音声が流れてくる。
鏡のような金属版に写っている像は、暗い中だと鏡面に写っている私と重なって見つめてくる。
写真を眺めていると、電球の明かりがつく。そうなると、鏡に映っていた私は消えて、写真の人物が鮮明に見える。写真の人物の声が流れてくる。精密で美しい写真は、そこに魂が存在しているかのようでした。
白黒写真で独特な雰囲気を醸し出しているので、遺影のような、遠い昔を思い出すような、でも、今も生活をしている方達で、未来の日本を作っていくわけでして、なんとも不思議な鑑賞体験でした。
新井卓「Imago / イマーゴー」
会期
2019年8月30日~10月18日
住所
東京都港区東麻布2-3-4 3F
開館時間
11:00~19:00(土~18:00)
休館日
日、祝
観覧料
無料
アクセス
大江戸線赤羽橋駅中之橋口徒歩4分
URL
http://www.pgi.ac